• 2024-09-01
高齢者の貸付金回収は?信託制度の活用法

高齢者の貸付金回収は?信託制度の活用法

「高齢の両親が貸したお金がなかなか返ってこない…どうすればいいの?」

このような悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。高齢者が貸したお金の回収は、本人だけでなく、家族にとっても大きな負担になることがあります。

高齢者が貸付金を持っている場合、その回収にはいくつかの選択肢があります。代表的な方法として、後見制度と家族信託が挙げられます。

後見制度は、判断能力が不十分な高齢者を支援するための制度です。もし、高齢者が認知症などにより、自分で判断することが難しくなった場合、裁判所が認めた後見人が、その人の代わりに財産管理や契約行為を行うことができます。

家族信託は、高齢者自身が、信頼できる家族に財産の管理を託す制度です。例えば、貸付金に関することを家族に任せ、自分では考えなくて済むようにすることができます。

後見制度と家族信託、どちらを選ぶべきか迷われる方もいるかもしれません。

後見制度は、裁判所の関与が必要となるため、手続きに時間がかかるというデメリットがあります。一方、家族信託は、ご本人の意思で家族に財産を託すことができるため、より柔軟な対応が可能です。どちらの制度を選ぶにしても、専門家である弁護士や司法書士に相談することが大切です。

では、実際に貸付金の回収を行う場合、どのような手順を踏めば良いのでしょうか?まず、内容証明郵便で相手方に返済を求めることから始めます。内容証明郵便は、裁判の証拠としても使えるため、相手方に返済の意思がないことを示すことができます。

それでも返済がない場合は、訴訟という方法も考えられます。訴訟は、専門的な知識が必要となるため、弁護士に依頼することをおすすめします。

高齢者が貸したお金の回収は、決して簡単なことではありません。しかし、早めに専門家に相談し、適切な手続きを進めることで、解決に繋がる可能性があります。ご自身やご家族がこのような問題に直面した際は、一人で悩まずに、まずは専門家にご相談ください。